バルカンソブラニー
50g入り
3620円
パイプたばこ
20年ぐらい前は普通に売ってたんですよ。1160円とかでね。パウチのやつが記憶にはあるんですが、当時吸ったことはなかったんです。だからこれには私は思い入れがないんです。
でもある時廃盤になったんです。 で、色んな人がバルカンソブラニーは良かった良かった言うもんだから、伝説の煙草になったと。
今あるのは復刻版で当時とはおそらく違うでしょう。値段もかなり伝説級になってますね、なんかあれですよね、バルカンソブラニーって言っときゃ通ぶれるみたいな、そんな嫌いは確かにあります。
でもこれを手にしたとき興奮があったのは否めません。
裏面です。
溝があるでしょ、ここにコインやら専用のオープナーやらを当てて蓋を開けるんですよ。 無理やり腕力で開けようなんて無茶です。お店によっては缶の開け方解りますか??
なんて聞いてくれたりもするんです。
こんな感じにね。
開けてみると、くしゃくしゃの中蓋と 意外と細いリボンカット、そしてブロークンフレイクが見えます。
葉っぱは硬さは普通で、湿り気も普通か、やや乾き傾向か。火をつける前の香りは鰹出汁系のあれです。
火付き・火持ちは悪くないです。着火や火種の維持に苦労することはありませんでした。
味わいはバージニアの甘みとラタキアの薫香、それをオリエントが間になって帳尻を合わせて行っている感じでしょうか、牧歌的なんだけど野暮ったい訳でなく、煙自体は案外スルスルと入ってくる印象です。
いいですこれ、優し目の味と香りです。パイプ煙草はこれだけあればいいと言うのも解ります。ニコチンが強すぎて酔ってしまうでもなく、ラタキア臭くてげんなりしてしまうでもなく、非常にいいバランスを誇っていますね。
でも、2100円ぐらいでなんとかなりませんかねこれ、MM965のレプリカ、メリルボーンより少し上で、ピーターソン版965より少し下ぐらいの位置づけが、本当は妥当な気がするというか、そうであって欲しいというか。
まあ、あれら965の価格設定が妥当かどうかは別ですが。
所謂プレミアム価格なんでしょうね。伝説込みの値段。
でも思い入れのない私にはバルカンソブラニーマジックは通用しませんよ。供給も安定してないんでしょうかね、つまりは世界情勢が悪いのがダメな訳で、こういう立ち位置の煙草はそういった問題の煽りをもろにうけてしまう訳ですから仕方ないですね、20年前と比べて消費者は賢くなりすぎてます。素直にお金を払って煙草吸えばいいんですよ、でもそれだと売る側は調子に乗ってしまうと。
なんて世の中なんでしょう。
この煙草はとてもいいです。しかしながら、それがかえって素直に礼賛出来ない理由になっている。
それぐらい良い煙草ということで。